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2010年 10月 16日
なし / none
昼寝用ベッドに毛布登場。
ドローイング。
ドローイング。
落ちるべきか。
乗るべきか。
滑るべきか。
選択。

「詩人なんてたいていみんな、しょうもない馬鹿なケツの穴だ。そいつが愚につかないヘナチョコな寝言を書いて、自分じゃ不滅だと思ってて不滅の名声が来るのを待ってるんだ。でもそんなものは来るわけないさ、だってその馬鹿はまるっきり書けやしないんだから。詩人、コエッツ、ホエッツ、人参、「犬が道を歩いてきました」ていう簡単な一行だって書けやしない。
 (中略)朗読はもっとよくない。人前に出て、タイプライターに向かって自分一人で書いた詩を読むなんてね。客が目の前に集まってて、みんなビールだか何だかを飲んでる、そんな奴らに自分の詩を読んで聞かせるなんて、こりゃもう最低だ」。


芸術


酒精が
衰えた
とき
フォーム

現れる。


アルコールについて
ブコウスキー アルコールはたぶんこの地上に届いた最高のもののひとつだー俺とならんでな。そうよ・・・・・・このふたつが地球上への届け物としては最高の部類に属するんだ。だから・・・・・・俺と酒とはウマがあうんだ。最後にはほとんどの人間の身を滅ぼすよ。俺は例外ってわけ。創造的な仕事は全部酔っぱらってるときにやるよ。女といてもさ、いつもナニやるときは黙りこくるわけよ、でアルコールが性的に俺を解きはなってくれるのさ。解放だよな、俺はだいたい恥ずかしがり屋で内にこもるたちだから、でアルコールのおかげで英雄さ、時空をかけめぐり、大胆不敵なことをしでかす・・・・・・だから好きなんだ・・・・・・イェー。

好きな読み物について
ブコウスキー 『ナショナル・エンクワイアラー』で読んだぜ、「あなたのご主人はホモですか?」って。リンダが言ってた、「あんたの声はホモみたいよ!」って。で、俺は言ってやった、「イェー、いつもそうかなって思ってたんだ」(笑)。この記事が言うんだ、「ご主人は眉毛を抜きますか?」。くそ!って思ったぜ。そんなこといつもやってるさ。で、自分のことがわかったよ。俺は眉毛を抜く・・・・・・俺はホモだ!『ナショナル・エンクワイアラー』に俺の本性を教えてもらうなんて結構なことだ。

競馬について
ブコウスキー しばらく競馬でメシを食おうとしたことがあったな。きついぜ。ぞくぞくするぜ。すべてが賭けだ。ー家賃もー全部がな。だけど、注意深くなりすぎる・・・・・・そこが違ってくるんだ。

 ある時、コーナーのところで観客席のずっと前の方にいたことがある。十二頭の馬がレースに出てて、ひとかたまりで走ってるんだ。すごい突撃みたいだった。でかい馬の尻がいっぱい上下に揺れてるんだ。ワイルドだったな。あの馬の尻を見て思ったよ、「これは狂気だ、まったくの狂気だ!」って。それからこんな日もある、四、五百ドル勝ったり、八、九レース続けざまに勝って、神になった気になる、全知全能さ。すべてがぴったりはまるんだ。
[それから私に向かってー]
ブコウスキー 毎日がいい日ってわけじゃないよな?
ショーン・ペン ノー。
ブコウスキー いい日もある?
ショーン・ペン イエス。
ブコウスキー そんな日は多いのか?
ショーン・ペン イエス。
[あいだを置いて、驚きの笑い]
ブコウスキー 「少ないさ」って言うかと思ってた。がっかりしたよ!

孤独について
ブコウスキー 孤独だったことなんかない。部屋にこもってー自殺したくなったことはある。鬱状態だったことはある。ひどい気分ーだんとつにひどい気分だったことはあるが、他の誰かが・・・・・・何人でもいいが、部屋に入り込んできて、俺の悩みを癒してくれたらなんて気になったことはない。言い換えるとだな、寂しさに悩まされたことは一度もない、いつも孤独を求めてひどくむずむずしてたから。パーティーに出てるとか、超満員のスタジアムでみんな応援してるとか、そんなとき寂しくなるのかもしれない。イプセンがこんなこと言ってる、「最強のものは天涯孤独なり」ってな。「あーあ、金髪の美人がここにきて、ファックしてくれて、タマをこすってくれたらいい気分だろうなあ」なんて考えたこともないぜ。そんなことしたって何の助けにもならない。知ってるだろ、群衆ってのはいつもこうだー「ワオ、金曜の夜だぜ、何するつもりだ?そこに座ってるだけか?」。まあね、そうさ。町では何もすることないからな。馬鹿げたことだけだ。馬鹿なやつが馬鹿なやつとツルんでるんだ。馬鹿にさせとけよ。夜の中へ駆け出したいなんてわざわざ思ったことなんかないぜ。バーに隠れてたのさ、工場には隠れたくもなかったからな。それだけのことよ。何百万の人には同情するが、寂しいなんぞと思ったためしはない。俺は俺が好きだ。俺の持てる最上の娯楽は俺なんだ。もっとワイン飲もうぜ!

余暇について
ブコウスキー これはすごく大事だー暇な時間を作ることさ。ペースが肝心だな。完全に止まってしばらく何もしないでいることがないと、すべてを失う。俳優だろうと何だろうと、主婦だろうと・・・・・・ハイとハイの状態のあいだにはしばらく休みがなきゃいけない、何もしないでいるようなね。ベッドに寝転がって、天井を見つめるのさ。これがとっても、とっても大事なんだ・・・・・・ただ何もしないでいる、とっても、とっても大事だ。今の世の中でこんなことする奴が何人いる?ほとんどいないんだ。だからみんな完全に狂って、欲求不満で、怒ったり憎んだりする。
 昔、俺が結婚する前、女をいっぱい知る前は、シェードを全部下ろして、三、四日ベッドで寝たもんだ。クソするために起きたり、豆の缶詰食ったりするけど、またベッドに戻って、三、四日ただそこにじっとしているんだ。そのあと、服を着て外を歩くと、太陽は輝いているし、いい音がする。力強く感じたよ、充電しなおした電池みたいにね。でもさ、最初に気を滅入らすものは何だと思う?舗道で見る最初の人間の顔さ、そこで充電したものの半分もなくしてしまう。奇怪で、うつろで、馬鹿で、感覚のマヒした顔、資本主義で充電してある顔ー「働き蜂」さ。で、「おおー!半分取られちまった」ってなるんだ。それでも充電したかいはある。半分は残ってるんだから。そうさ、暇さ。何も深遠な思想にひたれなんて言ってない。思想なんぞいっさい持つんじゃないって言ってるんだ。進歩的思想もなく、自己を前進させようという自前の考えも持たない。ちょうど・・・・・・ナメクジのように。これがかっこいいんだ。

伝統的道徳感について
ブコウスキー 地獄はないかもしれないが、裁く奴らがでっちあげるかもしれない。みんな教えられすぎてるんだ。すべて教えられすぎ。身にふりかかったら、それにどう反応するか自分なりに見つけりゃいいんだ。変な言葉だけどここで使うしかないな・・・・・・「グッド」ってんだ。どこから来るのかは知らないけど、誰にでも「グッドネス(善)」っていう究極の気質が生まれながらにあると思うんだ。神は信じちゃいないが、「グッドネス」は信じてるよ、体内をめぐる管のようにな。これは養うこともできるぜ。いつも魔法のようなんだ、渋滞のフリーウェイでさ、車線変更しようとすると全然知らない奴がすっと空けてくれる・・・・・・捨てたもんでもないって思えるよ。

インタビューされることについて
ブコウスキー コーナーに追いつめられたようなもんだ。照れるよ。だから、百パーセントの真実は言わない、遊んだりおどけたりってのが好きだから、ガセネタを出すんだ、お楽しみとクソッタレのためにな。だから、俺のことを知りたかったらインタビューなんか読むなよ。これだって無視してくれ。

タフガイは詩を書く チャールズ・ブコウスキー
インタビュアー=ショーン・ペン
訳=飯野友幸



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by midoriartcenter | 2010-10-16 01:27 | Tomomitsu TADA


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